誰にでも売れる商品を作ろうとしたら、急に難しくなった

複数の部品から商品に合う一つを選び組み立てる人物 商売実験

昨日、無限の波紋とは別の場所で、小さな商売を一つ始めるという記事を書いた。

別名義で商品を作り、販売ページを用意して、少額の広告を出す。無限の波紋の信用は持ち込まず、本当に知らない人が金を払うのか試してみる。

作ろうとしているのは、これまでの自分の経験から抽出した、ある種のノウハウ商品である。具体的な内容は今のところ書かないが、自分が実際にやってきたことや、そこから見えてきた考え方を、他の人でも使える形にできないかと考えている。

昨日の時点で、商品の方向性はある程度見えていた。どんな形で提供するのか。いくらくらいで売るのか。どうやって人を連れてくるのか。

そこまで決まれば、あとは中身を作ればいいように思えた。

ところが実際に商品として組み立て始めると、思っていた以上に難しかった。

自分にできることと、他人にもできることは違う

経験を元にしたノウハウ商品を作る場合、どうしても一つの問題が出てくる。

自分では自然にできることでも、他人が同じようにできるとは限らない。

自分にとっては簡単に思える手順でも、それまでの経験や知識が違えば、同じようには進められないかもしれない。何気なくやっていることの中にも、自分では意識していない前提条件がいくつも含まれている。

「わたしはこうやった」という話なら簡単である。実際にやったことを書けばいい。

しかし、それを商品として他人へ渡すとなると話が変わる。「わたしにはできた」だけでは足りない。

どんな人なら使いやすいのか。どんな条件があれば機能するのか。どこまでなら方法として一般化できるのか。

そこまで考え始めると、商品を作っているというより、商品の成立条件を調べているような状態になった。しかも、一つ考えるたびに、その下からまた新しい問題が出てくる。

なかなか終わらない。

誰にでも使える商品を作る必要はない

そこで途中から、少し考え方を変えた。

そもそも、誰にでも使える商品を作る必要はないのではないか。

商品によって向き不向きがあるのは当たり前である。だったら無理に対象を広げるのではなく、「こういう人には向いている」「こういう人には、おそらく向いていない」というところまで最初から決めてしまえばいい。

そう考えると、商品設計がかなり楽になった。

誰にでも使えるものを作ろうとすれば、経験も目的も違う、あらゆる人を想定しなければならない。対象を絞れば、その人がどこで迷い、何があれば先へ進めるのかを具体的に考えられる。

当然、対象になる人の数は減る。ただ、広告の対象を無理に広げてまで、数だけを追うつもりはない。

むしろ、向いていない人には売れない方がいい。

広告も「集めるもの」とは限らない

ここまで考えていて、広告についても少し見方が変わった。

広告というと、できるだけ多くの人に見てもらい、できるだけ多くクリックしてもらうものという印象がある。もちろん、最終的には商品を売るために出す。

ただ、今回のような商品では、単純にクリック数を増やせばいいわけでもない。商品にまったく向いていない人が大量にクリックしても、広告費が消えていくだけである。

だったら、広告の時点で対象をはっきりさせた方がいい。

広告を見て「これは自分には関係なさそうだ」と思う人には、そのまま通り過ぎてもらう。逆に、「これは自分のことかもしれない」と思った人だけが販売ページへ来る。

そう考えると、広告は人を集めるだけではなく、向いている人と向いていない人を入口で分けるものにもなる。

このあたりは、実際に広告を出してみれば数字で分かるだろう。今のところは、まだ考えているだけである。

商品ひとつで、考えることが多すぎる

そんなことを、しばらく考えていた。

商品の中身。どんな人に向いているのか。どこまで一般化できるのか。どう説明すれば誤解されにくいのか。販売ページをどう組み、広告で何を見せるのか。

一つの商品を作って売るだけなのに、考えることが思っていた以上に多い。途中で頭がいっぱいになってきた。

そこで、一度この商売実験から離れることにした。急いで完成させる必要はない。

作ろうとしているものを頭の片隅に置いておけば、これから生活している間にも、無限の波紋を運営している間にも、「これは使えるかもしれない」というものが出てくるだろう。

実際、何か一つ問いを持っていると、それまで気にも留めなかったものが急に目に入ることがある。それを少しずつ拾っていけばいい。

無限の波紋に戻ろうとしたら、妙に楽に感じた

そして、

「一旦、無限の波紋の作業に戻って、書籍でも書くか」

と考えた。

すると、妙なことが起きた。

書籍を書く作業が、ものすごく楽に感じられた。

もちろん、本を書くこと自体が簡単になったわけではない。構成を考え、文章をつなぎ、不要なところを削り、自分の経験や考えを整理する。それなりに頭を使う。

ただ、その直前までやっていた商品開発と比べると、ずいぶん違って見えた。

無限の波紋で書いているものの多くは、すでに自分の中にある。実際に経験したことがあり、考えてきた時間もある。あとは、それを掘り出して文章にしていけばいい。

一方、今回の商品では、まだ存在していない仕組みを作ろうとしている。

自分にできることを、他人でも使える形に変える。その条件を考えたうえで、知らない人にどう説明し、どう売るのかまで決めなければならない。

同じ「文章を書く」という作業が含まれていても、頭の使い方はかなり違う。

普段ならそれなりに大変だと思っている書籍執筆が、急に慣れた場所へ戻ってきたように感じられた。

昨日、小さな商売を始めてみようと思った。

今日は、その商品を作ろうとして頭がいっぱいになった。

そしてその結果、いつもの無限の波紋の作業が妙に楽に見えるようになった。

商品はまだ完成していない。むしろ、思っていたより時間をかけた方がよさそうだ。

ただ、それでいい。商売の実験を始めたことで、商品そのものとは別のことまで少しずつ見えてきた。

しばらくは無限の波紋の作業を進めながら、こちらもぼちぼち考えていこうと思う。

その後、商品だけでなく、AIを使って一人のまま商売の仕組みまで作ることを考え始めた。続きは、小さな商売実験のつもりが、これからの生き方まで見えてきたに書いた。

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